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伊藤美恵子

私たち50人の出産体験記/シオン発行より


 17才の女の子と10才の男の子ですから、妊娠・出産は昔の話になりますが、聞いてください。

 17才の長女を産んだのは私が27才の時。その前に2度の流産を経験しています。ですから、今の長女を妊娠した時は「今度は産まなくっちゃ」という気持ちが随分大きくなったものです。

 当時は妊娠中に運動するのは良くないという時代でした。ただ私自身としては、本能的に「動かなくちゃいけない」と思いました。しかし、医師と実家の母は「動いちゃだめ、静かにしていなさい」というし、夫の母親は「私たちの時は畑仕事の最中に産む人もいた」」と動いてもだいじょうぶ派で、どちらを取るかはいろいろな意味でなかなかスリリングなことでした。しかし前に流産の経験があったことが、積極的に動けない動機で、せっかくの本能も、うやむやの内に10か月が過ぎてしまいました。

 食事の点でも、現在とは違いました。「おなかの中にひとりいるのだから、ふたり分をせっせと食べなさい」が主流でした。これについては、幸か不幸か逆子で、胃を持ち上げられる感じがあり、食がまったくすすまずに、妊娠前に比較して約8キロ増。10キロ増までに抑えろということもなかったのですが、まあまあの感じでした。

 でもこの妊娠中は、周囲の人達からはいたわられ、自分も自身をいたわり、本当に過ごしやすいというか、いい期間でした。ですから、自分でも「10か月に向かって、大変なすごい仕事をしている」そんな気持ちで過ごしました。同時に、育児については余り考えが及ばず、「とにかく10か月が過ぎて、出産すればすべてが終わる」と、周囲と自身のいたわりの中で、ぬくぬくと過ごしてきたわけです。

 ところが出産してみたら、全然違った。今までだったら、妊娠中も含んで自分だけを守れば良かったのですが、守ってあげなければいけないものが出てきてしまった。それも、私の意志通りには動いてくれないものが出てきてしまった。「これは大変だな」と思いました。

 赤ちゃんとは別室、子どもを抱いたのは退院の時でした。ですから子どもがしゃっくりをしていれば「何が起こったの」という感じでパニック状態。おむつを変えればすむことと気がついたのは、少したってからのことでした。

 母乳にしても、赤ちゃんの吸いつく力が弱いからといって、すぐにミルクを飲ませてしまう、そんな時代でした。

 それにしても、長女の場合は必要以上に気を使い、必要以上に手をかけて、例えば転ばない前に手をさしのべるような、それでいてかんじんなところが抜けてしまっている、そんな育児でした。

 長女の場合は、産まれた時も小さく、運動能力は3才になるまでよそのお子さんに追いつかなかったり、内臓も弱かったりで、最初は他人と比較してくよくよしたのですが、個人差のあることに気づいて、途中から、わが子だけを見つめることにしました。育児書も見ませんでした。ほとんど「お祖母ちゃんの経験話」だよりです。

 それにしても、初めての子育ては、妊娠・出産はどうって事がないけど、分娩して初めてスタートラインに着くことを教えられました。それに、なかなかプラス思考にならないもので、永遠にトンネルの中でモガクのじゃないか、そんな感じがしました。

 2番目の子は、8年置いて妊娠しました。上の子が手を離れるかなという時期で「さぁ、*これから今まででき なかったことをしよう」と、準備に入った時でした。この時は、仕事をするか、もう1度一からの子育てをしてみるか、自分の中で優先順位を見極めました。結果が「もう一度の子育て」です。

 こうはっきりと決めてしまうと、妊娠中にしても、実にすっきりと楽しんで、その時間を過ごすことが出来ました。それに経験者ですから、心強いものがあります。

 妊娠が安定してきた時期からは、その前からしていたジャズダンスもヨガも再開しました。9か月の時には家族旅行で海に行き、泳いでもみました。おなかがプクッと浮いて、とても気持ちが良かったことを覚えています。

 分娩も簡単でした。「もうそろそろかな」で入院。分娩室に入って10分くらいで産まれました。8年間の母親経験は、2番目の子どもの育児で遺憾なく発揮出来たと思っています。「これだけはしなくてはいけない」ことについては、忠実に守りました。が、枝葉に関しては省略、それよりも、子どもといることに重点を置きました。

 この17年間の育児で感じたことをいくつか書いておきます。

 まず小学校の時代。子どもの心が揺れ動く時代です。手をかけて、目をかけてあげた方がいいようです。中学生になると今度は、目だけをかけて、手はあまりかけない時代になります。手をかけるよりは、よほど大変なことです。

 中学の受験、高校の受験では、親子共々かなり揺れ動きます。ストレスがたまることもあります。しかし、これを乗り越えると、それぞれに落ち着いてきます。その後は子どもを信頼して、距離を置いてみることが出来るようになるものです。それに、その先になると、本人次第の世界ですから。

 とはいっても、この子はどう育てようかは、ある程度親がレールを敷いて、下地を作ってやらなければいけないことです。

 とまぁー、15年から18年が育児の期間のようです。上の娘は、そろそろその期間を卒業する時期に入っています。

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