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23

 

島崎純子

私たち50人の出産体験記/シオン発行より


  初めて子どもを産む人には「自分の子どもは完全である」と考えることをお勧めします。*これは私が2人の子 どもを産んだ経験からの言葉です。

 御多分に漏れず、初めての子どもを産む時には、妊娠出産本、胎教本、育児書を幾種類も読みました。でも、これが著者によって、大きく考え方が違い、どれを参考にしたら良いのか、なかなか判断がつかないのです。そこで平均的なものを選びました。マタニティのスポーツとしてスイミング、胎教は音楽を聴くこと、出産は普通の医院、ただし、うつぶせ寝をしてもらえる医院。育児書では、育児が大変くらいの感覚はつかめるのですが、「どれくらい」がまったくつかめないので、余り考えないことにしました。もっとも、変わっていく自分の体に考え方の中心が来て、なかなか育児にまで考えをめぐらすことができない、というのが本当のところだったのではないでしょうか。

 妊娠中は、夫と私が花粉症であることから、一応アレルギーを考えて、とりあえず卵と牛乳は避けました。私の友人で、赤ちゃんのアトピーを心配するあまり、妊娠中に豆腐ばっかりを食べている人がいましたが、結果的に赤ちゃんはアトピーだったようです。素人判断ですが、食べ物に関しては、「要はバランス」じゃないかと思います。

 出産については、いきみの時に口をギュッと結んでいきんでしまったために、顔の血管が切れてむくんでしまったり、鼻から管を入れていたり、お腹には監視装置がついていたりで、「産ませてもらった」という感じの強い出産になってしまいました。それに夫たち会いでの出産だったのですが、腰をさするのが下手で……。ただ、そばに何でも言える人がいたのは、ひとつの救いでしたが……。

 出産後も、赤ちゃんは新生児室にずらっと並んで寝かされて、自動的にミルクを与えられていました。胎便がいつでたのかも知りませんでした。これも不本意な一件でした。

 3年後に2番目の子どもを妊娠しました。今度こそは「自分で産む」出産がしてみたいと思いました。その時に読んだのがミッシェル・オダン著の「バース・リボーン」よみがえる出産でした。水中出産、立ち産、座産など幾種類もの出産の方法が書かれていました。私はこの中から「立ち産」を選びました。立ち産をさせてくれるのは助産院だと思いこんで、夫と助産院を訪ねました。助産院は殺風景でした。ただ単に「産むだけの所」そんなふうに思えました。

 そこで、もしかしたら「初めての子どもを産んだ医院で条件を出したらどうだろうか」と思いついて、不本意な一件のある医院に行きました。

 立ち産はできないと断られました。次の希望である水中出産もだめでした。でも「座産」*だったらとOKをも らいました。そのほかに、へその緒はすぐ切らない、産まれた赤ちゃんを産湯に入れる前に抱かせてほしい、出産の場所は余り明るくしてほしくない、母子は同室、完全母乳などの条件を出しました。案外と簡単にこれもOKサインが出ました。

 あそこの医院は「していないから」とマイナス思考をするより、条件を出したら受け入れてくれるかもしれないプラス思考が功を奏しましたし、より「自分が産む」感覚に近づきました。

 妊娠中のお腹の赤ちゃんへの語りかけも、意識的に多くしました。例えば、夫は現在スーパーを経営しています。夫が立ち会うためには、店の休日が良いわけです。とっても現実的な話ですが「パパのお休みの日に生まれてきてね」とは良く語りかけていました。

 偶然でしょうが、陣痛は、本当に夫の休みの日に来ました。

 上の子を私の実家にあずけて、医院に向かう時には、もう生まれてしまいそうな感じでした。案の定、医院では助産婦さんに「今まで何をしてたんですか」と怒られてしまいました。子宮口はすでに全開でした。

 座産の予定でしたが、その設備には私自身がもう乗れるような状態ではありませんでした。でも分娩台ではないお産を、今度こそはしてみたいと思っていた私は「立ち産にして下さい」と申し込みました。ベテランの助産婦さんが担当だったことも幸いして「やってみましょう」と承諾が得られました。

 立ち産は中膝で立って下肢を横に180度近くに開いている私を、夫が後からちょうど羽交い絞めのような感じで支える格好になります。医師は「ホーこうやってやるの」と見学していましたし、助産婦さんからは「赤ちゃんがかわいソー」とか言われました。私自身はといえば、横に180度に開いた足がけいれんして止まらないのです。夫は大変疲れたようです。が、それでも、赤ちゃんはスルッと生まれました。会陰切開はしなかったのですが、やはり裂けてしまいました。「今の人は会陰の伸びが悪いのよね」とは、その時の助産婦さんの言葉です。

 できるのならもっとゆっくりと出産をしたかった。しかしとりあえずは良かったというのが、その時の感想です。

 入院中は条件通りに母子同室でしたから、胎便を見ることもできました。出産して2日目までは母乳も出なかったのですが、その間は白湯だけでとうしました。退院してからも母乳育児にはこだわり続けました。それも「いつもきれいなおっぱいをあげる」ことに。このこだわりは、実は私自身の体験から来ているのです。私自身は100パーセントミルクで育ちました。その結果だけではないでしょうが、アレルギー体質で、体が弱かったのです。でも母乳だけで育った妹は違いました。これがこだわりの原因です。

 2人の子どもも5才と2才になりました。自分のイライラが全部子どもに出てしまうことを目の当たりに見ると、ぞっとします。どう考えても肝ったま母さんにはなれそうもありません。

 それに、子どもたちはもう教育が問題になる時期に入っています。

 幼稚園の受験、小学校の受験と、今の子どもは小さい時からストレスを抱えているように思えます。それとはまったく無関係にいればいいとも思いますが、とはいっても何もしないでいいのかしらとも考えてしまいます。ある程度皆さんと横並びになっていると、それなりの安心感は得られます。

 でも、それで良いのかしらとも考えます。強い意志を持って、人の痛みもわかる優しい人に育てたいというのが、私たち夫婦の望みなのですが、私の場合はとかくのめり込み過ぎで、上の子の場合は形にはめたがりの傾向を夫から指摘されます。

 指摘されずにいると「母子カプセル(子どもとの距離が近過ぎること)」にもなりそうです。

 母子カプセルになると、子どもも大人も自立心をなくしそうです。ですから、夫の指摘はありがたいと思っています。

 これからの長い子育ての時間、情報をじっくりセレクトして事にあたらなければと思っています。

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