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福島恵美子

私たち50人の出産体験記/シオン発行より


 はじめは暗いお話です。

 第一子は、予定日超過6日目で、医師から心音がおかしいから少し早めに入院した方がよいと言われた。その日の病院からの帰り道を20年たった今もなぜか覚えている。そうこうしているうちに破水してしまい入院となる。

 当時は第二次ベビーブームで病院は大変混んでいた。次から次の出産の中、微弱陣痛ぎみの私もどうにか産み終ったが、赤ん坊はすぐには泣かなかった。そして翌日死亡。

 医者も周囲の者も、まだ若いのだからとなぐさめた。私、26才、人生ではじめての大きな悲しみ。そしてしばらくたち、気持ちが落ち着くと、微妙に私自身に変化が起きてきた。 苦労知らずで育った私だが、少しは相手の身になって人の心を思いやることが多くなったこと、自分自身をよく見つめるようになったことなど………。

 そして、同じ悲しみは決してしまいと誓った。医者は私の体に原因があるわけではない、*何らかの原因で胎盤 が早く老化してしまったのだろうと言った。けれど10か月を過ぎ、自然に産まれて、あの結果だ。

 やはり体をきたえなおそうと思い、その頃流行っていたヨガを習いに行く。食事も玄米菜食にきりかえ、体はしだいに変わっていった。炎症ぎみだった体の血液がきれいになるという感じがした。

 しばらくして妊娠、私は張りきる。食事は冷えるものを避け、暖かい体になるようにした。大きなお腹で逆さ立ちもする。マラソンもする。体重も臨月まで4キロしか増えないので体は軽く快適、つわりも少ない。自分自身はやせていくので、最高のダイエット。出産後、体重計に乗ったら妊娠前の体重だった。

 出産がまた印象的だった。たいして痛くないのだ。その日、デパートへ買い物にいき、母と夫と昼食をのんびりととり、夕食も実家で食べていた。少しお腹が張る感じがしたので、自宅へ帰る。夜、9時頃、お腹の張りが規則的になってきたので、軽い気持ちで病院へ行く。

 帰されるかなと思っていたが、スムーズに個室へ招き入れてくれた。張りがますます規則的になる。でも痛くはない。そばについている主人と、「(張りが)きたきた」などと話をしている。午前0時、ようすを見にきた看護婦さんが、「こちらのお部屋へどうぞ」と言ってくれた。「じゃ、ちょっと行ってくるね」とスタスタと別室へいく。そこが分娩室だと入ってからわかる。助産婦さんが「良かったわね。お産が始まって」と言うのを笑顔で答えた。少し、いきむのは力がいるなと思ったが、20分後に無事、出産。元気な男の子だった。嬉しさが全身から沸き出てくる。あまりに早かったので、主人は産まれたのがわからなかったようだ。個室に帰ってからも興奮をして一晩中、話をしていた。

 それから、はじめての育児にぼっ頭することになる。お祝いに来た友人が「この赤ちゃん何でも解っているという顔しているわね」という言葉どうりはっきりとした顔だちである。小柄でやせているが健康。母乳だけで育て、離乳も子どもが自然に他の食物に興味がゆくと並行して、母乳も自然に出なくなるという、ごくごく自然の離乳だった。

 息子は、何にでも興味を持ち、脳細胞が一日一日とふえていく様子がおもしろかった。ひらがな、カタカナは2才で覚え、漢字、時計は3才で覚えた。幼稚園までの自称、天才だが、今は努力ということを怠っているのでドン才。子どもの体の成長は、ゆっくりと遅いほうが良いと教えられた。息子は、その通り小学生時代いっぱいはやせて小柄で、歯の抜けかえも大変遅く小学2年生から高校1年ぐらいまでかかった。小学6年生の頃は152センチくらい、足も22.5センチだったが、中学2年生くらいからの伸び盛りからは驚くばかりの食欲で、高校二年の現在、172センチ、足も27センチと成長した。性格は、大変明るく、口げんかでは負けたことがないという、このおしゃべり男は、どんなふうに成長していくのか楽しみである。

 さて、次の妊娠だが、そのことに大変慎重になっている私は、体の調子が万全のときを考えていた。息子の育児も忙しく、幼稚園まではアッという間に過ぎ、転勤先の神戸で娘を出産することになる。私、39・5才、息子との年令差も8・5才とひとりっ子同志のような兄弟だが、娘も小学3年生となった現在は兄と対等の口をきくようになった。

 さて、娘の出産のほうだが、やはり食事には気をつけたが、前回よりも徹底しなかった。*ラマーズ法の教室、 ヨガ教室、神戸では盛んな羽仁もと子さんの考えをつぐ「友の会」の家事科の学校にも1週間通っていた。今回も充実し、楽しい妊娠期間で、10か月はすぐに過ぎてしまった。体重は4キロぐらいしか増えず、体も軽く快適な毎日だった。

 出産に際して、病院側は高齢だったこともあり慎長を期したのだろう。早めに入院し、促進剤をつかったらと勧められた。薬にたよるのは、不本意ながら、胎盤が早めに老化してしまった最初の苦い経験から、出産の方法は医師にお任せした。

 さて、出産は、前回と同じように張るという感じ、最後のいきみだけ、ちょっと大変。 無事、女の子を出産。女の子がほしかった私は嬉しくて、嬉しくて自然に口元がほころんでしまった。娘は目がキリッと上がっていて、おやせさん、しまっているという感じの女の子だ。小柄でいまも一番前にならび、きゃしゃという言葉がピッタリの体つきだが、健康で楽に育てられた。やはり、奥手の体質なのだろう、乳歯もまだ抜けないのが、彼女の悩みらしい。さっぱりとした性格で、動物好きな娘の成長も楽しみである。

 私の経験から、出産・育児に楽をしたい、健康な子どもをと願うならば、二つのことに気を配っていただきたい。第一に妊娠前に、自分の体を整えること、第二に妊娠中の生活を律すること。胎児のことを考え、食事をし、運動をし、精神的に穏やかな気持ちでいることだと思う。身二つになる前に、自分だけですることだから、確実で一番楽な方法だ。だれにでもでき、自然で安全なことなのだから。これから妊娠しようとしている若い方にぜひお勧めしたい。

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