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04

朝比奈泰子

私たち50人の出産体験記/シオン発行より


 私にとって妊娠・出産は、今思い出しても嬉しい、楽しい、誇らしい気持ちになる体験です。

 現在、子どもは、長男の丁央18才、二男の佳尉15才、三男の建12才の男3人。私は妊娠前からヨガを始め、妊娠中もそのまま続けて、長男は産科医院、二男・三男はラマーズ法の三森助産院で出産しました。私は、もともとあまり丈夫ではなかったので、こんなに楽なお産ができたのは、ひとえにヨガとラマーズ法のおかげで、それを伝えたいと思います。では、まずヨガをしたことで、どんな変化があったのか、どんな良いことがあったのかから始めます。

☆お産と妊婦に対するイメージが変わったこと。

 ヨガに通うまで、私のお産や妊婦に対するイメージはあまり良いものではありませんでした。というのは、母親からつわりがひどかった話や、お産が10何時間もかかって、とても苦しかったという話を何度も聞かされていたからです。さらに街で出会う妊婦さんはつまらなそうな顔をして、おなかを突き出し、ガニ股でだるそうに歩いていて、お義理にも美しいとは言えなかったからです(ごめんなさい)。ところがヨガの教室でお会いした妊婦さん達は、生き生きとした表情をし、背筋を伸ばし颯爽と歩いているのです。しかもいわゆるマタニティドレスではなくて、色も柄も素敵なルーズフィットドレスを着ていて、とても美しかったのです。「わぁ、なんていいんだろう!」妊婦さんを美しいと感じたのは、この時が初めて。その後、その方達が非常に楽なお産をされたことを聞き、私のお産に対するイメージは変わり始めました。

☆いわゆる妊娠に伴う異常がなかったこと。

●つわり…三回の妊娠中、吐いた事は一度もありません。ただ2、3か月の頃、ご飯の炊ける匂いと昆布の匂いが鼻につきました。多少気持ちの悪い時はありましたが、ヨガの先生が、まだ胎児が小さいから、たくさん食べる必要はないし、つわりは胎児に悪いものがはいらないように体が敏感になっている現われという内容の助言をしてくださったので、とても安心しました。

●便秘…腹式呼吸のヨガと、食事指導のおかげで、全くと言っていい程ありませんでした。*それどころか、一日 2、3回は必ず便通があり、3回以上便通があると、頭までスッキリする体験をしました。

●むくみ・高蛋白・高血圧・貧血など…全くなし。定期健診前の何日間かに、小豆の塩茹に黒蜜をかけた物を食べると、血色素の値が良くなることを発見。

●妊娠線…3回の妊娠で1本も出なかった。3度目のお産の時、「3人目のお産とはとても思えない。きれいなおなかねえ」と三森助産婦さんが、感心するやら、ほめるやら。ずっとヨガをやっていて、必要以上におなかが大きくならなかったのが、良かったのだと思っています。

☆自分の体がよくわかるようになったこと。

 例えば、妊娠4か月に冷たいヨーグルトを食べたところ、下腹が冷えたという感じと共に、その一部が丸く固くなりました。たぶんそこが子宮だったのだと思います。薄着をして外から冷えるよりも、冷たい物を摂って内から冷える方が、ずっと強い影響があることが身をもってわかりました。また3人ともお産の日まで何らかの形でヨガをやっていたのですが、その時の体ののりで、明日(今日)産まれそうとわかり、事実その通りでした。☆胎児が元気なこと。

 ともかくよく動きました。お風呂に入っている時など、おなかが波打って見えたり、足かなあと思える形でぐっと出っぱってきたりしました。

☆母乳がたくさん出たこと。

☆誇り高い気持が湧き出てくること。

 このことが、一番印象深く、今思い出しても素晴らしいと思うことです。妊娠中体が整い、気持ちも安定しているので、おなかの中に子どものいることが、とても嬉しく有難く感じられます。そして、本当に体の芯から充ち足りた、誇り高い気持が湧き出てくるのです。背筋がピンと立つ感じで、何とも言えずいい気持でした。

 このように妊娠期間を過ごしたら、お産の仕方もよく考えないと残念です。私は、長男の体験から、二男と三男はラマーズ法の産院を選びました。ここは産むのは女の人自身で助産婦は援助する人、お産は自然のものだから、人の持つ本来の力を大事にしようというお産をしていました。そのための呼吸法の教室も熱心に開催し、お産の時も一緒に呼吸法をしたり、体をさすってくださったり、励ましてくださり、会陰部の保護もしっかりしてくださいました。自分が産む主体になるということは、とても素晴らしいものです。

 では最後に三男・建のお産の様子をお伝えします。

 予定日より12日早い、12月9日午前4時、陣痛らしきものが始まりました。しかし、なにしろ寒いので、痛みが治まるのを期待して布団の中で呼吸法をしてみました。呼吸法をしているとさほどでもないが、試しにやめてみるととても痛くなってきたので、これは陣痛に違いないと起き上がりました。トイレへ行くと薄いピンク色のおりものがあったのでこれはお産の始まりと確信、すぐに三森さんに電話をしました。「陣痛は今何分おき?」「5分くらい」「エッじゃあすぐ来なくちゃ。……あなたが来るまで寝ていていい?夕べ遅くにお産があってほとんど眠っていないのよ」「も、勿論です。どうぞ休んでいてください」と電話を切ると、すぐに丁央と佳尉を実家の母の到着するまで近所の親しい方にお願いし、夫の会社のトラックで産院に向けて出発。

 車の中で「ヒーヒーフー」と呼吸法をするが結構苦しい。産院に着いたのは5時半頃。すぐに三森さんが「今どの呼吸法している?」と尋ねてくださった。「ヒーヒーフーですけど、けっこう苦しい」と言うと、「ヒーヒーフーフーの方がいいよ」とアドバイス。そのように変えてみると、嘘のように楽になりました。さすが!そのまま分娩室に直行。夫も一緒に。陣痛の間隔はどんどん短くなりました。陣痛がくると三森さんと助手の方が、呼吸に合わせて腰をさすってくださる。とても助かる。夫は私の手を握っている。「そうだった!お産は楽しいっていう印象しかなかったけれど、フワフワ何もしないで楽しいんじゃなかった。前のお産の時も一生懸命頑張ったんだっけ」などと今さらながら思い出しました。そうこうするうちにいきみたくなる。

 しかし三森さんは「もう少し痛みを逃がした方がいいよ」とおっしゃる。おかしいなあ、いつもは、いきみたくなったら何時でもいきんでいいよ、と言っているのに……と思いつつ呼吸法を続けました。「もういきんでいいでしょ?」「まだまだ」……「もういい?」「もう少し待って」……しばらくして、「もうダメ。いきむよ」といきみ始めました。陣痛の波といきみの呼吸がピッタリ合う様に練習した成果と、ギリギリまでいきむのを我慢したおかげ(?)か、痛みの波と呼吸が上手く合って、なかなか調子良い。4回位いきむと「アッもうダメよ、いきんじゃ。はい、喘ぐ呼吸ね」と三森さん。「ハッハッハッ」とやっていると、やがてスルリ。オー!!気持ちいい。

 6時9分、三男建の誕生。長男によく似ている。「目耳口が大きくて、たくましい顔をしているね」と夫と話す。夫がへその緒を切ることになる。「いやぁー硬いもんだなあ…」と緊張した声。でもとても嬉しそう。「それにしても経産婦は早いねえ。間に合わなかった」「エッ何の話ですか」「ウン、あなたの電話があってから、すぐ渋谷の日赤に電話したのよ。看護婦さん達にお産を見せてあげようと思って」「それで、まだいきんじゃダメって言ってたんですか。おかしいと思った」「アッハッハッでもダメだったね。渋谷は遠いねえ」そのうちに、ドヤドヤと日赤の看護婦さんが四名到着された。「遅かったよぉー。もう産まれちゃった」と三森さん。「エー産まれちゃったんですかあー」と残念がる看護婦さん。ヤレヤレ。

 後産は例によって三森さんが腹部にアイスノンの様な物を乗せてくださると、全くいきみなしに出てしまう。「きれいな後産よ」とほめられる。後産が終わると、自分で歩いて分娩室から移動。会陰部切開をしていないと、直ぐ歩けるし座れます。三森さんは明日家に帰っていいよ、とおっしゃるが、家に帰ったら大変なのは目に見えているので、一日延期してもらう。「それじゃあ次のお産手伝ってね」と。

 次の日、やはり3人目のお産の方のお手伝い。といっても、一緒に呼吸法をしたり、頑張って、と声を掛けるだけだが……。この方は上のふたりのお子さんが、中学生の女の子と小学高学年の男の子でお父さんと一緒に分娩室に入って、お母さんの応援。しかしお産もたけなわになると、男の子は「僕は見たくない」と言って、外に出てしまった。この年頃の男の子は、デリケートなんだなあと思いました。自分は3回お産をしているが、お産を直に見るのは初めて。赤ちゃんの頭がチラッと見えると「もう少しよ、頑張って!」と皆で応援。三森さんが鏡を使って、赤ちゃんの頭を妊婦さんに見せてあげると、その後のいきみに俄然力がはいったようです。しばらくすると喘ぐ呼吸になり、会陰部が裂けない様に一生懸命保護されている。ゆっくり回転しながら頭、肩が出ると、あとはするりと。三森さんにしっかり受け止められ、新しい生命の誕生。お母さんも、赤ちゃんも、三森さんもすごい、よく頑張った、偉いなあと、とても感動しました。

 ここは、食事も手作りおふくろの味でとても美味しく、部屋は和室でリラックスできます。その上同室の方や、その御家族とも楽しくおしゃべりをし、まるで修学旅行にでも来ているようで、とても楽しい体験でした。

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