博多から海岸線に沿ってくるまで時間ほどののどかな港町、福岡県芦屋町。白砂青松や奇岩の磯の続く美しい景観でも知られている町です。ここでは毎年まだ夏の匂いの残る9月1日(太陰暦八月朔)、「八朔の節句」が行われます。

この日、初節句を迎える家では、男児にはワラ馬を、女児にはダゴビーナを作り、床の間から座敷を埋めつくすほどたくさん飾って祝い、ワラ馬は、赤ちゃんが生まれるとすぐに準備にとりかかり、赤ちゃんの健康と成長を祈りながら、少ない家で百騎、多い家では五百騎も作ります。

そしてワラ馬には武者人形を乗せ、旗に有名武将の名前を記し、子どもが成人してあっぱれ偉人になるように祈願します。一方、女の子のダゴビーナ(団子雛)は、祭りの数日前から町の女たちが集まり、米紛で一つ一つていねいに雛人形や亀、鶴、鬼、犬など何百と作り、同じように飾られます。

祭りの当日は、早朝から晩まで、お祝いに訪れる人たちにワラ馬やダゴビーナが渡されます。子どもの将来に幸多かれと祈願した行事で、約2百年間受け継がれている民間信仰です。


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