どろんこになっても泣かないで
 田んぼで稲穂が育つように、
  すくすくと成長し、元気な子になってね





千葉県のどろんこ祭りは、毎年まだ雪の残る2月25日に行われます。
朝、皇産霊神社(みぶすなじんじゃ)の社前に大きな焚火がたかれ、祝詞奉上と玉串奉奠の神式が終わると社殿から祝い餅がふるまわれ、村の青年たちを中心とした30人ほどの若者が集まります。青年たちは真新しい鉢巻にふんどし姿、やがて祭りの始まりです。

社殿のしめなわの藁を稲かぶに見立て、神社の下の御手洗池ですすぎ、体を清めて神田に植えます。稲作生産が豊作でありますようにと、田の神・稲荷神への願いをこめて。神社と神田を何度も往復してお祈りする様は、お百度参りと呼ばれています。

そして青年たちは、町内で生まれた満一歳未満の赤ちゃんを抱き、赤ちゃんの健やかな成長を願い顔に泥を塗ります。水田の泥は稲の生育の素、という考えから、赤ちゃんにもその思いを託したのです。赤ちゃんの泥塗りが終わりお酒も入ってくると、ふんどし姿の男たちは、水田で水をかけあい、泥を投げあい、ついには人櫓をつくり、騎馬戦さながらに展開します。最後に社殿の前で氏子総代の胴上げをすると、祭りの幕。

こんなに力強い願いを託された赤ちゃんは、元気いっぱいに育つのでしょう。



●カレンダーページに戻る