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ときをかけてはぐくむこと

日本医科大学産科講師

可世木久幸

BeMam vol.12

 私の専門は不妊症ですので、その見地から妊娠、育児について話してみましょう。

 今、ここに「赤ちゃんが欲しいのにできない」という女性が、私の外来を受診してきたと想像してください。不妊症の原因に関しては、女性側、男性側の心と体にまたがる多数の要素が複雑に絡み合っています。その結果、偶然に赤ちゃんができないというわけです。裏返せば、単純にひとつの原因だけで妊娠しない、あるいは流産を繰り返すのではないことをご承知ください。おそらく、現在妊娠進行中のお母さんの大部分の方は、「妊娠したのはごく普通のこと」と考えていることでしょうが、妊娠し、赤ちゃんがお母さんの子宮の中で大きく育っていくことは、確率的には珍しいことなのです。

 一組の妊娠しやすいカップルがいたとします。排卵日に性交をしました。当然卵子が排出されますが、この卵子を卵管で100%ピックアップできるわけではありません。つぎに、精子が卵管を入っていきますが、精子も選別されますから、ここでも100%受精できるわけでもありません。幸せなことに受精した卵子、受精卵は、卵管から1週間かけて子宮までたどり着くのですが、この間に、受精卵からお母さんに、お母さんから受精卵に情報が送られて、その情報がマッチングしたものだけが着床すると考えられています。当然ミスマッチングのものもありますから、ここでも100%ではないわけですね。

 やっと着床しても、そのまま100%育っていくわけではなく、結果的に、妊娠しやすい夫婦であっても、妊娠までこぎ着ける割合は30%ということになります。

 この数字ですから、カップルの8組に1組は子供がいないという状態になります。

 皆さんの周りを見まわしてみてください。子供の人数はだいたい2人か3人くらい。4人、5人の子供がいる家庭は珍しいはずです。

 「持ちたくないから」という話が、マスコミで流布されていますが、あながちそうではないのです。

 つまり、妊娠は普通のことではなく、実は珍しいことなのです。

 妊婦さんは、この珍しい状態の中にいるのですから、大切に過ごしてほしいと思います。

 時が満ちてやがて赤ちゃんが生まれます。大切な赤ちゃんのはずです。育児も大切にしてください。

 不妊の場合も往々にしてあるのですが、ご主人の非協力の話も聞きます。しかし、育児にご主人の協力は欠かせないものではないでしょうか。幸いに、育児休暇を男性も取れる世の中になってきています。

 「カップルで育児を楽しむ」

そのような方向をめざしたらいいのではないでしょうか。

 ”ときをはぐくむこと”は、妊娠、出産、育児に携わるご夫婦に、神様がお与えになった大きなプレゼント、として受け取っていただきたいと思います。

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