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お産と時の流れ

岡山赤十字病院副院長

本郷基弘 先生

BeMam vol.000

 妊娠や出産というのは、元来生物が種族を保持するための、本能的な営みにもとづく生理的な現象です。

 それは太古の昔から続いているもので、ひと昔前は、女性の妊娠・出産に最適な年齢は10代後半という時代もありました。そして、出産自体に、あるいは乳児の成長の過程で、多くの危険性があったなどの理由から、子どもをたくさん産んでいました。

 それがご存知のように、文明が進み社会が富み、長寿社会になった現在、女性も高学歴になり、社会進出後もめざましい活躍をするようになりました。その反面、婚期は遅くなり、核家族化や住宅事情、夫婦共稼ぎ、養育費の問題等、子どもをいつ産んで育てるかということに関しては、理想と現実に非常に大きなギャップが出るなど、お母さま方の妊娠・出産に対する考え方もずいぶん変わってきました。

 いくら近代医学が進歩し、「お産に対する安全性が飛躍的に高まっている」とはいうものの、高齢化社会の中で、女性の生殖年齢だけは延長されているわけではありません。40代後半には妊娠能力は低下し、50代で閉経するのは今も変わりません。五体満足な子どもが欲しいという願望は、従来にもまして強く、数は少なくてもひとりひとりを大事に立派に産み育てようという傾向が、定着してきました。

 おのずと、妊娠・出産に対する意識の比重も高まるわけですが、妊娠・出産に関しては、正常か異常かの注意も大切です。なぜなら、最初から異常とわかっている例は少なく、「普通のお産であろうと思われていたのが、いつの間にか異常分娩になるケースもある」というのがお産の現状なのです。

 しかし、そういう異常なケースをよく分析してみると、まったく予見できないものや予防することが不可能なものがある反面、十二分に注意をして見ていけば、異常の発生を予防できたり、早期発見で正常に戻したり、重症になるのを予防できたりもします。特に予防できないものに関しては、早めに見つけることが大変重要になってきます。

 どんな病気にも共通して言えることですが、自覚症状がないことで安心している状態ほど怖いことはありません。「早期の異常には自覚症状がない」のが普通ですから、十分に注意してゆくのが賢明です。

 具体的に、異常の予防および早期発見にはどうすればよいかと申しますと、

@定期的健診をきちんと受けること

A健診で受けた注意に忠実に従うこと

B妊娠中は日常生活に節度を保つこと

C家族の正しい理解と協力を得ること

D必要ならば「安静」をしっかり守ること

 中でも私が声を大にして申し上げたいのは、漢字で書けばたった二文字の「安静」という言葉です。

 しかし、この安静ぐらい守るのが難しいことはありません。特にお仕事をお持ちの妊婦さんは、知らず知らずのうちに無理をしてしまうことが多いのです。労働基準法に認められた妊産婦さん保護の精神を十分くみ取って、職場や家庭の理解をいただきたいものです。無理のしわ寄せは、お腹の赤ちゃんが被るということを忘れずに、赤ちゃんの一番の味方になってほしいということですね。

 私たちお産に携わる者のひとりとして、前出の5つに気をつけて、ぜひ元気な赤ちゃんを産んでいただくことを期待しております。

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