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私が見て体験したアメリカのお産事情

真田産婦人科医院副院長

平川万紀子 先生

BeMam vol.000

渡米中の第3子出産 麻酔利用度の高いアメリカ人

 私が勉強に行っていたアメリカの病院は、ブリガム&ウィメンズホスピタルという、ハーバード大学附属病院の一つで、そこで産科麻酔を見てきました。ブリガムは、年間1万件前後のお産がある病院で、そこの患者さんの6割以上が硬膜外麻酔を利用したお産(無痛分娩)をするのです。

 当然私も『これは経験しなくちゃ』と思って第3子のお産のとき、硬膜外麻酔をしてもらったのですが、何しろ3人目の経産婦だったので、麻酔がきっちり効くよりも先にお産になってしまい大変でした。

「効かない〜!痛い〜!」

 と、麻酔を追加してもらったものの、お産後にしっかり効いたため、後陣痛(お産後に子宮が収縮する痛み)には良かったのですが、しばらく足がしびれてトイレにも行けないありさまでした。

 とにかく硬膜外麻酔を使用したお産が多いため、「しなくてよい!」と拒否しておいて「痛い〜!」と騒ぐ妊婦さんは、教育程度が低いとみなされ、医療スタッフの態度は、けっこう冷たいものがありました。何しろアメリカ人は、日本人のように『耐える人種』ではないので、痛みがあるときは思いっきり「痛い〜!」と訴えるし、それで痛みをとるのはあたりまえのことなのです。痛みをとることを拒否しておいて騒ぐと、結局その程度の教育レベルだとか、知的レベルが低いとか思われるわけですね。

国民性があらわれる!?お産の現場

 日本人がお産をする場合、硬膜外麻酔を受けないで黙って静かにお産をするのでみんなびっくりしていました。ガマン強い人種だとか、精神的なコントロールがすごいとかいって。確かに日本人には『耐える美徳』っていうのがありますよね。でも、最近の若い妊婦さんたちは少し違ってきています。アメリカナイズされてきたというのか、少しずつ『耐えない人種』になってきたというのか。日本も将来、アメリカのように無痛分娩がさかんになるかもしれませんね。

 それと、アメリカの医療でびっくりしたことのひとつには、とにかく患者さんをほめあげる(?)ということがありました。たとえば、硬膜外麻酔をするときエビのように丸くなるのですが、「すばらしい!」とか、「完璧だ!」とか、「じょうずだ!」とかいって、ほめちぎって患者さんをその気にさせるのです。

 日本語だったら背中がむずがゆくなるようなことばでも国民性でしょうか、アメリカ人は全然平気なんですね。日本でよく使われる「頑張って!」ということばなんか、ゼンゼン聞かなかったです。励ますよりほめあげろという感じでした。

 また、産後少しでも調子が悪いところがあれば、すぐ薬が出されてびっくりしました。

「もう痛くありません」

 といっても、「また痛くなるときの予防」といって時間ごとに薬を持ってきてくれるのです。産後48時間で退院(現在は24時間で退院)させるため、少しでも調子が悪かったら困るのです。

 お産の入院は、日本のように5日〜1週間がいいですね。私は、産婦人科医であるとともに、3人目の出産だったからよかったものの、初産の場合授乳のタイミングもうまくつかめないまま、何が何だかわからず退院という形になってしまいそうですね。

母親教室に反映したいアメリカのお産のよいところ

 アメリカのお産ですごく気に入ったところもありました。それはお産を「2人でする」という考え方です。2人で2人の赤ちゃんを産みだそうとする努力です。ふつう、日本で行なわれている『母親教室』もあちらでは、『両親教室』でした。2人で「妊娠」「お産」を学んでいって、2人の気持ちを高めてゆき、出産へとつなげてゆくのです。

 週に1回2時間弱の両親学級が10回もあるのですから、どんなご主人(パートナーといいます)も呼吸法はもちろんのこと、妊娠中の体の変化から分娩の機序、はてはお産後の精神状態の変化まで詳しくなるのです。すごいと思いましたね。お陰で日本に戻ってからというもの、母親教室をもっと充実させようと現在いろいろ考え中です。

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